好きなもんは好き。
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「ふうん…、で、今その状態ってわけね。」
放課後。HRが終わってすぐ。
授業がやっと終わったこの時間は、部活に行く人、学校が終わって帰ろうとはしゃいでる人で賑やかだ。
そんな中魂が抜けたような顔をしながら机に突っ伏しているあたし…。
町田くんの机に座りながら紫乃にさっきの状況を説明すると、『舞香が悪い』って第一声で言われました。あたしのメンタル。
結構自分でも感じてたんだから!逆ギレだって気づいてたんだから!
今更になってなに言ってんだよあたし!ってすごいさっきからもうもう自己嫌悪!!
「恭平くんも嫉妬して喧嘩なんて予想外だけど、舞香も逆ギレってね〜…」
「だって、あの時はついカッとなっちゃって売り言葉に買い言葉っていうか口から勝手にベラベラと…」
「それ言い訳だから。」
笑顔で微笑む紫乃に、自分の体が灰になりそうなのを感じる。
あああ…、わかってる、わかってます…、あたしが悪いんです…。
「…恭平と喧嘩したのだって、本当に何年ぶりってくらい久しぶりだもん。」
「あんた達本当に仲いいものね…」
紫乃の声にスッと遠い目をする。
うう…、胸が痛いっていうか、もう罪悪感っていうかぐるぐるしまくって、立ち上がる気力すら、ない。
「舞香は帰んないの?」
「…うーん、今昇降口行ったら部活に行く恭平とバッタリ会いそうだから。」
校庭でサッカーするから昇降口行ったら確実に会うよね、うんそうだよね。
あたしが悪いし謝ろうとは思ってるけどさ、さすがに今会うのは気まずくない?
「ふうん、まあ私は帰るけど。」
「冷たい!相変わらず今日も通常運転で冷房みたいな温度ですねさすがです!」
「ぶっ飛ばすよ?」
微笑んだ紫乃の周りに吹雪が見えた瞬間、パッと起き上がって敬礼する。
通常運転で冷房とかじゃない!通常運転で氷河期だ!!!
「イエ!とても温かい心をお持ちの紫乃さん素敵です!!」
「よろしい。」
ねえ、まだ気温高いはずなのになんでこんなにも氷河期の気分味わってるのあたし…。