好きなもんは好き。
好きなもんは好き。







──────────────────…










「ちょぉーっと可愛いからって調子乗らないでくれる?」








「櫻田くんと幼なじみなだけでずるいのに!」









あ、えーっと、今、美人な先輩方に体育館裏というベタなところで囲まれています。










なんか慣れてきたよこのシチュエーション。









昨日、全校に響き渡る告白をしてしまったもので、










もちろんこの恭平のファンのお姉様方にも届いてしまってこの状況です。










わー!!でもこんなあからさまな呼び出し&囲まれるのって中2以来じゃないかな!?










懐かしいー!!とか言ってる場合じゃないよね知ってる!!!









「…えと、それであたしはどうしたらいいですか?」











ごめんなさい、ほぼほぼ聞いてなかったっていうか。









もう毎回同じようなセリフしか言われないから基本的に覚えるのを諦めたっていうか。











首を傾げながら質問すると、先輩方がイラッとした顔をしたのが見えた。










ひい!だって!毎回思うけど解決策がよく見えないんだもの!!











あたしにどうしろっていうのさ!!










「だから、近づくなって言ってんの!」









「いやー、ちょっと厳しいですかね、結構無理難題かも。」










バッチリメイクの先輩が出してきた提案に、即答する。









いや、結構無理難題じゃね?









あたしと恭平が一緒にいないとかなかなかないよ?










「…っ!ふざけんなよ!」








おおう…!!怒ってる!








怒りが最高潮に上ったであろう先輩たちに、少し肩をすくめる。









残念ながら今放課後という時間、そして今日サッカー部がたまたま部活がないらしくて。









多分早くしないと、ね。来るよね。










「舞香!大丈夫か!?」









ほらきた!恭平!!









さすがだね!あたしもこの状況慣れてるけど君もなかなか慣れてるもんね!!









< 209 / 214 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop