好きなもんは好き。





「恭平ー、また勉強教えてね?」




「舞香理解するの遅いから教えるのすごく大変なんですけど。」




「あ、ところでさ紫乃、他のクラスとかイケメンいた?」




「ねえ、俺の言葉聞こえてた?」





くるっと紫乃の方に向いて重大なことを質問してるというのに、




後ろでなんかくどくどうるさい幼馴染の声が聞こえるんですけど、




スルーってことでいいっすよね?





はい、了解です。







「舞香、恭平くん困ってる」




「え?困ってないよ困ってない〜、もし困ってるなら困らせとけばいいさ!」







どうせすぐに中学時代の仲良かった親友の町田くんのところに行っちゃうし。




このW田コンビめ!






「はぁ〜…、おい、帰るとき声かけろよ。入学式くらいはな。」



「はいよ〜」





わざとらしくため息をついたと思えば、宣言通りふら〜っと町田くんのところへ行く恭平。




…ほら、あたしの言った通り!







「今日は一緒に帰るの?」



「うん〜、部活がない日はね。中学の時もそうだったじゃん。」



「そうだけど…、高校までとは思わなかった。」







若干呆れ気味の顔を浮かべる紫乃にハテナマーク。





高校までってどういう意味?恭平と帰るのってそんなに変?







恋愛対象には確かに入らないけど、一緒にいたら楽しいし。






今更一緒に帰らないとかなんか…、違和感?






< 21 / 214 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop