好きなもんは好き。






まあいいか。うん、深い意味はないだろうし。うん。






「ねえねえ紫乃!ところでささっきも質問したけどイケメンいた!?」






ハイテンションで話しかけるあたしに紫乃はあーハイハイって感じで答える。





いやー、だってこれで高校生活薔薇色になるかもしれないんだよ!?






「見た感じだと、D組にマスクイケメンが1人。E組にもマスクイケメンがもう1人。」





紫乃の言葉にウンウンとすごい勢いで頷く。





紫乃は昔からイケメン発見レーダーが素晴らしいから!





だけど紫乃本人はイケメン全く興味ないらしい!何故!




綺麗な指を1人2人って上げてく紫乃をじっと見つめてると、突然ふぅ、と息を吐いてこっちにニッコリしたかと思えば、





「と、…まあ、そんな前置きは置いといてね。」





「え!?前置きだったの!?」





そんなことを言い出す紫乃ちゃん相変わらずだね!





すごい真剣にウンウン頷いてたあたし恥ずかしい。ナニコレ。





マスクイケメンやたら多いなとは思ってたよ?





思ってたけど心にしまっていたあたしの優しさは無視?無視なの??







「ちなみにこの学年、いや学校って言ってもいいんじゃない?大本命は2人。」




「え、だれだれだれ!?」





完全にガクッと崩れたあたしにまたふふっと笑って話す紫乃にずいっと顔を近づける。






「…1人はA組。名札が確か…、一ノ瀬、かな?」




「いちのせ…さん…。」






はいー、キター!名字めっちゃかっこいいじゃん!!






なんてニヤニヤ思って紫乃を見ると何故か紫乃もニヤニヤしてて。






…なんか嫌な予感。






「紫乃さん。まさかとは思いますが、もう1人って…。」





「恭平くんよ。当たり前じゃん。」






やっぱりーーー!!







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