好きなもんは好き。
「あんた中学からいっつも思ってたけど、どうしてそんなにも恭平くんを恋愛対象外って言うの?」
「え、だって対象外じゃん。」
不思議そうに聞いてくる質問に訳がわからずキョトンとする。
なんでって言われても対象外なものは対象外でしょ。
「だって恭平だよ?ずっっっっと昔から一緒にいたんだもん。恋愛対象に入んないでしょー。」
「つまり、舞香は幼なじみだから恭平くんを対象外だと思ってたってわけね。」
「えっ、そうなの?」
「だってそうじゃん。…ふうん、そっかあ。幼なじみって枠がダメだったんだ。」
再び苦笑いをして答えると、訳のわからないことをまた言ってくる紫乃にキョトンを通り越してポカンとする。
…お、幼なじみって枠がダメって、え?どういうこと?
なんてハテナマークの渦に巻き込まれそうになった瞬間、
「あ、皆さん、そろそろ門閉まりますよ?また、明日学校に来てくださいね。」
西野先生が廊下から顔を覗かせた。
その言葉を合図に周りのみんなも本格的に帰る準備をしだす。
「んー、じゃあ紫乃、また明日ね!」
「うん。じゃあね、舞香。」
帰る方向が真反対の紫乃にそう言って、恭平の元へ向かった。