好きなもんは好き。
「舞香!おい、待て!」
案の定、あたしの全力走りも虚しく下駄箱までもう少し、というところでパシッと腕を掴まれて恭平に捕まった。
やばい、後ろ向けない。怖い、これあたしの命どうなる?
なんて思ってギギギギギ…と音がなりそうなくらい恐る恐る振り向くと、
漫画とかでよく見るような怒りマークが頭に5個くらいついた目の笑っていない恭平さんがいました…。
「置いていくっていい度胸してるよな、舞香?」
「…ご、ごめんなさい…。」
こ、こういう時は素直に謝ったほうがいいよね!うん。
反抗したらどうなるか、なんて分かりきってるから。
「はい、罰としてプリンおごりな。」
「…はい?恭平さん、ごめんごめんごめん、聞こえなかったわ、もう一回。」
「プリン舞香がおごりな。」
そうですよね昔からプリン恭平さん大好きですものね、はは。
え、で?プリンがどうしたって?あたしにおごれと?
たかが教室から置いてっただけで?金欠のあたしに?おごれと?
はん?いい度胸してるじゃねえか兄ちゃんよぉ。
「お、ご、る、よ、な、?」
「……………………………………はい。」
言い返そうとした度胸なんて何それ、恭平の目見た瞬間恐怖でマンホールの下に沈めました。
ひどい、鬼畜すぎる!!!