トリプルトラブル
三人が帰って来た。
早速ネットを張り、スタンド式トスマシンの試運転。
自分達の身長に合わせて自由に調整出来る優れ物らしいけど、やはり飛んで来るボールには勝てる訳はない。
それでも、素振りだけするより練習にはなるらしい。
気が付くと二人共にボール無しで振っていた。
「球が少なくて……」
そう言われて大君がしぶしぶネットまでボールを持ちに行った。
直樹君は真剣その物だった。
「せっかくコーチが開いてくれた道なんだ。一生懸命やるしかないんだよ」
直樹君が力強く言った。
秀樹君は頭を外で染めると言い出した。
いくら何でも、お風呂場は汚せないと考えているようだ。
又……
あの騒ぎが始まる。
そう思うと、ワクワクしてくる。
私は一番浮かれていた。
早速、ドラッグストアで購入したヘアカラーの出番になった。
水道の下のバケツが汚れていた。
どうやらこれで染めたらしい。
あの日の光景を想像しながら、家に入る。
寒い思いをさせる訳にはいかなかった。
明日から二人は練習に参加するつもりなのだから。
だから私はポットとヤカンにたっぷりのお湯を用意して庭に急いだ。
夜は又お好み焼き。
イカ入りマヨネーズ焼きが全員のお気に入りになってしまったからだった。
それに、洗う物がボールとホットプレートだけだと言うシンプルなのが気に入ったのだ。
でも聞いた話によると、大阪の人はお好み焼きをおかずにご飯を食べると言う。
それには流石に驚いた。
その夜、直樹君は躊躇せず、私と同じベッドに潜り込んだ。
キングサイズだから、シングルの約二倍位はある。
普通のベッドを二つ並べたと思えばいい。
だから私も見よう見まねでベッドメーキングしたシーツを捲った。
「中村さんをどうこうしようなんて気はないから」
真剣そうな眼差しは、決意に溢れているように思える。
「中村さんが好きとか嫌いとかじゃなくて……」
じゃあ何?
なんて言えない。
この部屋を……
直樹君を選んだのは私なのだ。
直樹君に選ばれた訳ではないのだから。
私は悶々とした気持ちを抱いたまま、直樹君の隣で眠りについていた。
早速ネットを張り、スタンド式トスマシンの試運転。
自分達の身長に合わせて自由に調整出来る優れ物らしいけど、やはり飛んで来るボールには勝てる訳はない。
それでも、素振りだけするより練習にはなるらしい。
気が付くと二人共にボール無しで振っていた。
「球が少なくて……」
そう言われて大君がしぶしぶネットまでボールを持ちに行った。
直樹君は真剣その物だった。
「せっかくコーチが開いてくれた道なんだ。一生懸命やるしかないんだよ」
直樹君が力強く言った。
秀樹君は頭を外で染めると言い出した。
いくら何でも、お風呂場は汚せないと考えているようだ。
又……
あの騒ぎが始まる。
そう思うと、ワクワクしてくる。
私は一番浮かれていた。
早速、ドラッグストアで購入したヘアカラーの出番になった。
水道の下のバケツが汚れていた。
どうやらこれで染めたらしい。
あの日の光景を想像しながら、家に入る。
寒い思いをさせる訳にはいかなかった。
明日から二人は練習に参加するつもりなのだから。
だから私はポットとヤカンにたっぷりのお湯を用意して庭に急いだ。
夜は又お好み焼き。
イカ入りマヨネーズ焼きが全員のお気に入りになってしまったからだった。
それに、洗う物がボールとホットプレートだけだと言うシンプルなのが気に入ったのだ。
でも聞いた話によると、大阪の人はお好み焼きをおかずにご飯を食べると言う。
それには流石に驚いた。
その夜、直樹君は躊躇せず、私と同じベッドに潜り込んだ。
キングサイズだから、シングルの約二倍位はある。
普通のベッドを二つ並べたと思えばいい。
だから私も見よう見まねでベッドメーキングしたシーツを捲った。
「中村さんをどうこうしようなんて気はないから」
真剣そうな眼差しは、決意に溢れているように思える。
「中村さんが好きとか嫌いとかじゃなくて……」
じゃあ何?
なんて言えない。
この部屋を……
直樹君を選んだのは私なのだ。
直樹君に選ばれた訳ではないのだから。
私は悶々とした気持ちを抱いたまま、直樹君の隣で眠りについていた。