冷酷な飼い主様
プロローグ
「さようなら」
あれ?今何が起きたの?
雨の音で聞こえなかった。
なんて本当は分かってるのに現実に目を背ける。
私、馬鹿みたい
『な…んで?』
自然と溢れた言葉に母は
「あなたがいると不幸になるのよ」
と答えた。
そして遠ざかる母の後ろ姿をただ見つめる他なかったんだ。
母がとうとう見えなくなったとき、私はそこに泣き崩れてしまった。
『どうして…?私が何をしたの?いい子にしてたじゃん…』
母の気が変わりまた来てくれるという淡い期待を胸に抱き大きな声で泣きじゃくった。
だけどどうしてだろう?涙が出ないんだ
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