約束の大空 2 【第三幕完結】※約束の大空・3に続く
そして舞ちゃんは、そこで土方さんの最期を見届けて、
発狂するように泣き崩れると雷鳴が轟いて、何処かの時間へと飛ばされたみたいだった。
そこは……私の見慣れた時間。
現代?
加賀舞っと記されたベッドに眠っている赤ちゃん。
その赤ちゃんは、すやすやと天使のような寝顔を見せていた。
☆
えっ?
突然の出来事に、見ている私も困惑してしまう。
驚いたように目を覚ますと、お日様の日差しが優しく届く見慣れた部屋だった。
「舞、起きたか?」
布団に眠り続けていた私を三味線を抱えたまま畳に座り込んで見つめるのは、
暗闇を彷徨い続けてた私を探しに来てくれた晋兄だった。
「晋兄……」
「どうした?
嫌な夢でも見たか?魘されていたぞ?」
優しく切り出した晋兄の声に触発されてしまったように、
私はさっきまで見続けていた、前世の記憶らしき夢の話を全部吐き出した。
そんな私の会話を、晋兄はずっと黙って受け止め続けてくれた。
私が話す内容は、絶対に聞く人が聞いたら変な人でしかないような、
そんなバカげた話だと思うのに、茶化すことなくまっすぐに向き合ってくれた。
「そうか……。
お前は、あの舞の生まれ変わりなのか……。
だが……あの泣き虫舞が、新選組と一緒に行動して蝦夷まで行ってたとはな。
辛かったんだろうな。
そうか……」
晋兄は、そう言うとゆっくりと立ち上がって、
襖をあけて真っ青な空を見つめた。