約束の大空 2 【第三幕完結】※約束の大空・3に続く
『何時の世でも
あの日……貴方と見た約束の大空(そら)を探すから』
ふと……舞ちゃんの声が、聞こえた気がして同じ言葉を追いかけるように口ずさむ。
「なんだ?舞?
何時の世でも、あの日、貴方と見た約束の大空(そら)を探すから?」
「何かわからない。
だけど今、心の中に湧き上がってきたの。
多分、もう一人の舞ちゃんの声が聞こえた気がした」
そうもう一人の舞ちゃんの声。
一度は、その声を耳にしていながら、いつの間にか消えてしまって、
その存在すら覚えてなかった、そんな声。
「舞、お前には前世の舞がやり残した何かを、やり遂げる使命があるのか知れないな。
泣き虫舞がお前にすべてを託して、その思いを受け継いで、今のお前はこの俺たちの時間にタイムスリップとやらを
してきたのかも知れないな」
そう言って晋兄は、思いもしなかったことを口にした。
前世の舞ちゃんがやり残したことがあって、
それをやり直すために、舞ちゃんの記憶を持つ私が……花桜と瑠花を巻き込んで、この世界にタイムスリップしたって言うの?
思いもしなかった。
もし、それが本当なら……知らず知らずのうちに、
私の……前世の舞ちゃんの後悔の旅に、花桜と瑠花を巻き込んで幕末に連れてきてしまったってこと?
それはそれで、また別の罪悪感が芽生えてしまう。
だけど晋兄に思ってた心のうちを吐き出した後からは、
少しずつ私の体調は回復していった。
動けるようになった後、晋兄は長くは傍に居させてくれなかったけど、
一日一時間程度くらいずつ、傍に居させてくれるようになった。
『俺の傍に居られなかったって、今の舞が後悔して、次の舞がタイムスリップしてきたら大変だからな』って、
めちゃくちゃな理由だったけど。