約束の大空 2 【第三幕完結】※約束の大空・3に続く
「異変?」
「でも瑠花が、この間病院に言った時、
沖田さん、異常なしって言われたって言ってましたよ」
「異常なし。
総司が告げたのなら、異常はないのでしょう」
「だって、今、山南さん……」
「私には、そう思えただけですよ。
ですから、これは私が総司に出来る気遣い」
なんだかうまく逃げられたような感覚になったけど、
山南さんはそう言うと、明里さんの待つ長屋へと入っていった。
その後は、三人で過ごす楽しい時間。
山南さんは、そのまま明里さんのところで
夜を共にすることになり、外泊許可のない私は夕刻、
晩御飯を作る時間帯にあわせて屯所へと戻る。
どんな形でもいい。
山南さんと過ごす時間を自分の中に刻み込んで、
間接的にでも、お祖父ちゃんに山南さんの温もりを伝えたい
その一心で、私は今日もこの世界を必死に歩き続けてた。