恋愛メンテナンス
clean 12 失言でした、ごめんなさい
困ったなぁ~…。

街コンで、パァーッと盛り上がるつもりでいたけど。

仕事の飲み会に、主役が参加しないって訳にはいかないし。

断るなら、街コンだよね…。

でも、モモちゃんも私と同じくらい楽しみにしてる訳だし…。

オバチャンたちは、

「飲みまくったる~!」

「久々だからねぇ」

とか、当事者よりも言ってるし。

永田さんとも、お近づきにならなくてはいけないし…。

「土曜日、どうやって店まで行くの?」

最近、永田さんはみんなの居ない時を見計らって声を掛けてくれる。

「えっ?いや、普通に電車…」

「なんなら、俺と行くか?」

だから、急に優しくすんなー!

「お願いできるなら、そうして貰えたら有難い」

淡々と答えながらも、ドキドキしてしまった。

今ので飲み会行くの、決定したようなものじゃん。

「オバチャンたちも、拾って行くからさぁ…まぁ、そんな心配すんな」

心配?

意味不明。

そしてタイミングがいい事に、って言ったらモモちゃんには悪いけど。

モモちゃんからのライン。

『ごめん、なんかインフルエンザで一週間は出歩けなくて。街コン行けない。本当にごめん』

インフルエンザかぁ。

可哀想に。

『全然だよぉ。それよりモモちゃんもしっかり休んでね。…ってかね、実は私もその日にバイト先の飲み会と重なっちゃって。今回の街コンは中止だね』

正直にラインを返す。

『そうだね。飲み会で、副所長さんゲットしたらまた報告してね☆』

ゲットって、どうやってゲットすんのさ。

ノリ悪そうだもん。

盛り下げるタイプが、幹事って…。

土曜日、私は家の中で待っていた。

夕方過ぎに永田さんが、帰って来て。

キャン♪キャン♪

いやらしいわぁ~、シャワー浴びてる。

ヤバッ、想像しちゃう。

アイツの胸の中で泣いた時。

何気に、いい胸板してんじゃんとか思ったし。

意外とエロチックな身体してたりして。

8時に下で待ち合わせしてるの。

他のオバチャンたちも拾って、飲み屋に9時に集合だってさぁ。

ゴトゴトと物音がして。

私服でも選んでるのかなぁ。

どんな格好して行くのかなぁ。

いつも見る格好は、わりと地味なんだよね。

パッとしない感じ。

オシャレには、一切興味ないって言うのかなぁ。

まぁ、顔だけはやたらカッコイイから、他はどうでもいいのだろうか。

つり目の細目が、また可愛いのなんの。

色白のホッペがたまに赤くて、これもまた可愛いのなんの。

細くて上あがりの眉は、きれいにカットされてて。

口唇も時々、尖らせて不貞腐れてる表情してんの。

玉子を逆さにした顔の輪郭。

その中に、均等に振り分けられたパーツ。

整った顔立ちをしている永田さん。
< 34 / 100 >

この作品をシェア

pagetop