恋愛メンテナンス
「しかしまぁ、あんたって女は、やっぱり変わった女だねぇ。我が強いっていうのか、変な所で自分を大きく言うよなぁ」

あっ、もしかしてやっぱりさっきの言葉で、怒ってる?

「イチャモン付ける気ぃ?」

「あのなぁ、みんな既婚者なんだから、あんまなぁ、空気読めんような発言すんなってんのぉ。みんな優しいから、あぁいう反応してくれるけど。人には言えん悩みだってそれぞれ持ってるかも知れんだろうがぁ。社会人なんだから、わきまえろよ…ったく…」

…何よ…何よ、何よ!!

それって、あんた本人の事なんじゃないのぉ?!

何、他人事の事みたく言ってんのよ!

「ケッ…、永田さん!あなたねぇ、言っちゃ悪いけど、我が強いってのも変人なのも、あなたの方がかなり、私よりもウワテだと思いますよ?」

「なんだとぉ?!」

「偉そうに説教してる内の中に、毒舌と失礼な言葉の数々、たくさん並べてますけど!そこんとこ、ご存知でした?!」

フーンだ…。

と、永田さんのジャンパーをギュッと握った。

「………」

あっ、ちょっと…。

何で黙るのさ。

言い返してきてよ…。

溜められると、怖くなるじゃん…。

「…知ってるしぃ、そんなのわざとだしぃ」

「あぁっ?!(怒)わざとって何なのよ!人を試してるって訳?!最悪じゃないの!」

「人間ってなぁ、悔しい時に本性出すだろ?追い詰められた時に、コイツはどうやってソコを切り抜けていくのかなぁ~って俺は思って。わざわざ、そういう言い方してやってんだぁ。何か文句あんのかぁ…」

私はその言葉に驚いて、何も言えなかった。

絶句ってやつよ。

「益々、嫌な男!」

へぇ~、そうやってコイツは人の心を読み掴むんだぁ。

なるほど…って、関心しちゃってどうする、私!

「この俺如きの言われた言葉で、イチイチ腹を立てる奴は、だいたい何をやっても長続きのしない奴で。それでも黙って聞き入れる奴は、忍耐のある奴。笑って誤魔化す奴は、ただのアホ」

アホって言いながら、私を見るなー!

「ん~でも、ちょっとあんたに関しては、訳分かんねぇな。毎日毎時間単位で、コロコロと変わるから、俺としては試しずらくもあるけどなぁ…」

もしかして、今の。

私の中身、探ってるの?

私の心を読もうとしてるって事?

…知りたいの?私の事…。

急にドキドキしてきちゃった。

だって凄い毒蛇みたいな目で、見つめるんだもん。

「…あぁっ?!(怒)なんだぁ?!(怒)」

「こっちが、あぁっ?!(怒)なんだぁ?!(怒)だぁ!!」

「生意気にガン付けてきやがって」

舌打ちされて、そっぽを向かれた。

見つめられたかと思ったら、睨まれてたんだ。

人相悪いから、見分け付けるのが難しい。

私のせいじゃない!

あんたのせいだ!


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