恋愛メンテナンス
「でもまぁ、美空さん。あんたも年くってんだからぁ、あんま感情的にならずぅ、社会人としてぇ、それなりの人生を送って行かなきゃ、老いた時に孤独死するぜ?」

永田さんは突然近寄って来て、私の頭を撫でてきた。

「よしよし…よしよし…」

「私の生き方だから…人にはとやかく…言われたくないもん…」

やめてよ!

そんな急に手のひら返したような、優しい表情しないでよ!

好きになっちゃうから!

「やめてってばぁん!」

恥ずかしい…やっぱり、至近距離はダメ。

「よしよし…よしよし…」

カッコいいです…。

私は撫でる手に、知らない間に触れていた。

えへへ、大きな手だなぁ。

「子ども扱いしないでってばぁん!」

どさくさ紛れに握ってみたら、

「…アホだなぁ、おまえ…よしよし…」

あっ…。

今ので永田さん。

やっと笑ってくれた。

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