恋愛メンテナンス
どことなく、私と雰囲気が似ていて。
話してるうちに、仲良くなった。
私と同じ年で、結婚してるけど旦那さんは単身で今は一緒に住んでないそうだ。
私と同じで、家に居られないみたい。
主婦にしては、主婦らしくなくて。
この人は自分を持ってる人だと、すぐに察した。
泣いている元の話を、お互いに打ち明けて驚いた。
彼女の涙の理由は、かつて下に住んでいた他所の旦那さんに、居なくなった今でも恋しくて逢いたくて、想い続けているそうなのだ。
「一度だけ、たった一度だけね、奥さんがお産のため実家に戻られてる時に、関係を持ってしまったの。ダメね、余計にその時の温もりを思い出すと、こうして泣けちゃうの…」
「つらいね…寂しいよね…」
同情してると、
「でも衝動的だとは言え、抱いてくれるなんて思わなかったから。その時の私は本当に嬉しかったの。夫に毎度暴力を振るわれて、アパートで一番親身に私の話を聞いてくれたのは、下の階の旦那さんだけだったし。私の味方は彼しかいない…そう思って、彼の胸の中に飛び込んだら、衝動的で返してくれたからね…」
「そっかぁ、そんなに他人のために、他所の奥さんの事まで親身に考えてくれる人が世の中にも居るんですね。やっぱり結婚したからって幸せになれる訳じゃないって事だね」
「そうそう(笑)」
「その人、今は?」
「さぁ。引っ越されてからは一度も会ってない。いつもフラフラして探してるけど…遠くに居るのか、近くに居るのかも分からない…分からないけど、私の好きな気持ちは以前よりも募るばかり」
「…会えるといいですね。おそらく、その旦那さんはあなたの事、今でも、いつも心の片隅で思っていると思いますよ。…残してきた、あなたをずっと心配してると思います」
その女性が泣くから、私ももらい泣き。
「そうだといいけど…ありがとね。これからもずっと会えると思って、想い続けていくよ」
「うん、頑張れ頑張れ」
って応援してる場合か?私…。
「あなたの永田さんも、今はまだあなたの側に居るから、自分だけの感情だけで押し進めながら、戸惑ってられるけど。…居なくなったら、相当苦しくて辛いものよ?…あの時、こう言っておけばよかった…ってね?…自分の気持ちを、素直に伝えられる相手が、すぐ側に居てくれる事こそが、あなたの求める幸せなのかも知れないよ?…私もそう思ったから…」
「はい…私もそう思います…」
思いますけど、仕事が…。
仕事でやっと長時間パートにしてもらえたのに…。
「後悔して欲しくない…好きな人の側に居た方がいい…私のアドバイスはそんな感じかなぁ…その場、その時は衝動的でもいい。…よく考えて?自分の事だけをね…」
「はい…」
自分の事だけ…か…。
自分の素直な気持ちに、添って行けば間違いじゃない…か…。
アパートに戻って、布団の中にすぐに入って横になる。
話し声が聞こえた。
輝の声だ。
アイツもやっぱり疲れているのか、テンションは低くめ。
「…申し送りも有るから、静岡行くのは明後日の朝…うんうん…新幹線でなぁ…9時52分発…おお、頼むなぁ…荷物は一気に纏めて明日の夕方過ぎに持ってて貰うから…そうそう…」
明後日の朝?!
9時52分発?!
は、早すぎる…。
思わず、聞き耳を立てて聞いてしまう。
話してるうちに、仲良くなった。
私と同じ年で、結婚してるけど旦那さんは単身で今は一緒に住んでないそうだ。
私と同じで、家に居られないみたい。
主婦にしては、主婦らしくなくて。
この人は自分を持ってる人だと、すぐに察した。
泣いている元の話を、お互いに打ち明けて驚いた。
彼女の涙の理由は、かつて下に住んでいた他所の旦那さんに、居なくなった今でも恋しくて逢いたくて、想い続けているそうなのだ。
「一度だけ、たった一度だけね、奥さんがお産のため実家に戻られてる時に、関係を持ってしまったの。ダメね、余計にその時の温もりを思い出すと、こうして泣けちゃうの…」
「つらいね…寂しいよね…」
同情してると、
「でも衝動的だとは言え、抱いてくれるなんて思わなかったから。その時の私は本当に嬉しかったの。夫に毎度暴力を振るわれて、アパートで一番親身に私の話を聞いてくれたのは、下の階の旦那さんだけだったし。私の味方は彼しかいない…そう思って、彼の胸の中に飛び込んだら、衝動的で返してくれたからね…」
「そっかぁ、そんなに他人のために、他所の奥さんの事まで親身に考えてくれる人が世の中にも居るんですね。やっぱり結婚したからって幸せになれる訳じゃないって事だね」
「そうそう(笑)」
「その人、今は?」
「さぁ。引っ越されてからは一度も会ってない。いつもフラフラして探してるけど…遠くに居るのか、近くに居るのかも分からない…分からないけど、私の好きな気持ちは以前よりも募るばかり」
「…会えるといいですね。おそらく、その旦那さんはあなたの事、今でも、いつも心の片隅で思っていると思いますよ。…残してきた、あなたをずっと心配してると思います」
その女性が泣くから、私ももらい泣き。
「そうだといいけど…ありがとね。これからもずっと会えると思って、想い続けていくよ」
「うん、頑張れ頑張れ」
って応援してる場合か?私…。
「あなたの永田さんも、今はまだあなたの側に居るから、自分だけの感情だけで押し進めながら、戸惑ってられるけど。…居なくなったら、相当苦しくて辛いものよ?…あの時、こう言っておけばよかった…ってね?…自分の気持ちを、素直に伝えられる相手が、すぐ側に居てくれる事こそが、あなたの求める幸せなのかも知れないよ?…私もそう思ったから…」
「はい…私もそう思います…」
思いますけど、仕事が…。
仕事でやっと長時間パートにしてもらえたのに…。
「後悔して欲しくない…好きな人の側に居た方がいい…私のアドバイスはそんな感じかなぁ…その場、その時は衝動的でもいい。…よく考えて?自分の事だけをね…」
「はい…」
自分の事だけ…か…。
自分の素直な気持ちに、添って行けば間違いじゃない…か…。
アパートに戻って、布団の中にすぐに入って横になる。
話し声が聞こえた。
輝の声だ。
アイツもやっぱり疲れているのか、テンションは低くめ。
「…申し送りも有るから、静岡行くのは明後日の朝…うんうん…新幹線でなぁ…9時52分発…おお、頼むなぁ…荷物は一気に纏めて明日の夕方過ぎに持ってて貰うから…そうそう…」
明後日の朝?!
9時52分発?!
は、早すぎる…。
思わず、聞き耳を立てて聞いてしまう。