恋愛メンテナンス
結婚してよかった。

そう思えるように、彼も彼なりに努力している事が間近で伝わるから。

私も輝に見習って、パートナーとして楽しく明るく過ごしています。

ある時に言われたの。

『おまえは精神的に弱いから、独りにさせたら、いつか逃げるように死んじゃうんじゃないかって思って、心配して見てた。だから絶対に独りにさせたくなかったんだよ』

その読みは確かに当たってて。

強がった分の反動はいつも大きかったから、そこを輝に見透かされて、今は凄く安堵して生活している。

『誰だって苦手なモノはあるからなぁ、俺はとしこさえ居たら、他は望まない。としこだけを大切にするから、その代わりに、俺を不安にだけはさせないでくれよ』

そう輝と、市役所に婚姻届を出しに行った時に言われた。

子どもは苦手で嫌いだけど。

輝の子どもだったら、欲しいかも。

なんて、最近思うようになっているのも事実。

でも、やっぱり自分を一番に可愛がってもらいたいから、とりあえずはパス。

「なんだよ、ニヤニヤしやがって」

カレーをモリモリ食べてくれる輝を見つめる。

「よしよし…輝っ…」

頭を撫でてやる。

「よせって…それは俺がやってやるんだから…よしよし、としこぉ…」

輝も片手で私の頭を撫でた。

相変わらず、布団の中では私が輝を支配して、

「としこぉ…勿体ぶらずに、早くキスしてくれよぉ…なぁ~…う~っ…ほらぁ、う~だ…」

「はいはい…う~っ…」

…チューッとキスしてあげる。

お互い巻き付いて眠って、朝は何となく一緒に起きて、輝が支度をしている最中に、私は朝食の準備をする。

「所長どの!行ってらっしゃいませ!」

玄関でまたキス。

輝は絶対に1回じゃ足りないと、3回キスをして出て行く。

アホだなぁ、おまえ。

誰かさんの言葉を思い出して、

「アホだなぁ、おまえ…でもそんなおまえは可愛いよ♪」

思わず輝のマネして言ってやる。

「あのなぁ~…イチイチ俺のマネすんなボケェ。…じゃあな行ってきます」

「ほいほーい」

照れながら出て行く輝を見送って、私は後片付けと洗濯、掃除をする。

なんかさぁ、思ってたより家事が楽しくって。

しばらくは、ダーリンのために家事に専念して、飽きたら働きに行こうと思ってんの。

「んーっ!じゃあ、やるかぁーっ!」

背伸びをして、おっぱじめる。

時間がある時に、モモちゃんとラインする。

モモちゃんも実は、新たな彼氏が見つかって、今はその彼氏のお世話で、自宅と彼の部屋の行ききしていて、大変みたい。

お互いラブラブで大忙し。

輝の求める楽しい生活で、私を時々囲もうとする、孤独を欲しがる不安定な雲は、少しずつ寄り付かなくなってきていた。




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