妖精と彼女【完】






実は、愛には霊感がある。


霊だけじゃなくて、妖精とか…テレビで「不思議ちゃん」と呼ばれる芸能人が言うような、『ちっちゃいおっさん』も見えるらしい。






…ちなみに、あたしにそんな能力はない。







昔から、愛にはその能力で色々と助けられてきた。





たとえば、一緒に学校から帰ってた時。
あたしがたまに一人で通ってた、狭い近道を通ろうとしたら……。






「…姉さん、そこは通らない方が良いよ。……理由は言えないけど。」





…って言われたり。
実際、そこは過去に恐ろしい出来事があったイワクつきの場所だった。





愛から「行かない方が良い」と言われたところは、確かに知る人ぞ知る場所だった…というようなことが結構あった。





だから、あたしに霊感はないものの、愛の霊感は信じている。





ちなみに…常にポーカーフェイスなのは、霊的なものを無視したり見えないふりをするのが効果的だからだとか……。








そんな愛は、あたしと同じようにトウの存在をに疑問を持った、たった一人の人物だった。










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