妖精と彼女【完】
変化
ーーーーー次の日。
「倉本さん!」
次の日の朝、学校へ登校すると…クラスの男子から挨拶もそこそこに声をかけられた。
あたしが座っている席に近づいてきて、前の席の椅子に、あたしと正面を向くように座った。
えーと…名前が、高木くんだったかな…?
高木くんは、確かサッカー部に入っている。男子にも女子にも友達が多い、明るく爽やかな男子。
あたしにはあまり仲のいい男子の友達がいない。
女子には結構好かれるけど、男子はあたしに話しかけにくいみたい。
だからちょっとビックリしたけど、表情には出さないよう気をつける。
高木くんは黙って椅子に座った後、なぜか黙っている。
「……あの…、なにか用?」
あたしが用件を促すと、高木くんは少し言いにくそうな顔をする。
……声をかけたのはそっちなんだから、早く言ってほしい……。
「あの、さ……昨日の夜、イケメンの男の人と街を歩いてる倉本さんを見かけたんだけど。あれって倉本さんの彼氏なの?」
……昨日?
イケメンの男の人?
………彼氏?
あたしには彼氏なんていない。
…残念ながら全然モテない。
人違いかな……?
ん…?でも、昨日って……
あたしには、一つだけある『可能性』が思いついた。