妖精と彼女【完】
「高嶺の花……?あたし、そんなに取っ付きにくいのかな……?」
真剣に首を傾げるあたしを見て、綺音は呆れたようにため息をついた。
そしてからかうような笑顔を浮かべた。
「違うってー相手されないんじゃないかって思われてるんだよ!んー……」
そこまで言うと、綺音は少し考え込むように顎に手を当てている。
「……?」
「悠の欠点をあげるとすればさぁ、恋愛に関して興味がなさすぎるとこかな……あ、あとブラコン。」
考え込んでると思ったら、からかうようにあたしの欠点を言う。
そんな綺音に、あたしはちょっとムッとする。
「ちょっとー、あたしはブラコンじゃないって!」
移動教室に向かう時に、あたしたちのちょっと前を歩いていた高木くんたち(男子数人)がこちらをチラチラと振り返りながら見ている。
綺音もそれに気付いたみたいで、ニヤリと人の悪い笑みを浮かべた。
「あ、恋愛に興味ないのは否定しないんだ?」
「んー……まぁ。」
あたしたちの会話を聞いていたのかは分からないけど、高木くんたちが少し肩を落として落ち込んでいるように見えた。