妖精と彼女【完】
少しモヤっとした気持ちを抱えながら一日は終わり、学校帰り。
あたしは銭湯の手伝いがあるから、部活には入っていない。
去年入学した時には、167センチの身長ゆえに、部活へのかなりシツコイ勧誘を受けたんだけど…
(主にバレー部とバスケ部。)
丁重にお断りした。
特に特に、バレー部の先輩は勧誘が本当にしつこくて、最初は身長の高い人に入ってほしいとか言ってたのに……
「あなたがいたらギャラリーが絶対増えるから!あなた美人だから、相乗効果が沢山あるの!」
とか、最終的には言い出した。
……丁重にお断りした。
あたしは、先輩からは褒めてもらったものの……自分自身が美人だとはまったく思わない。
だけど、美人さんが部員にいるとそんなに相乗効果があるのか……
と、あたしは自分の両親が営む銭湯に、相乗効果とやらを得るために、美人スタッフを雇用するべきでは……と思考を巡らせたこともあった。
ちなみに、そのバレー部の熱心な勧誘先輩には会うたびに勧誘される…。
周囲の手助けを借りながら絶対に会わないように校内を逃げまくっている。あと一年のガマンです。