妖精と彼女【完】
「ねぇねぇ」
なんか背後から声がした気がするけど、あたしに話しかけてはいないだろうと気にせずケータイを探す。
「ねぇ、キミに声かけてるんだって!」
という声とともに突然、背後から肩をポンと叩かれた。
「………?」
肩を叩いてきたから知り合いかと思ったけど、見知らぬ男の人4人のグループだった。
道にでも迷ってあたしに尋ねたいんだろうか?
まだケータイが見つからない。
「…?何か?」
「オネーサン、今ヒマ?だったら俺らとお祭り回らない?」
男の人たちは、あたしよりも少しだけ年上の大学生くらいに見える。
ちょっとニヤニヤしてるように見える。
「…?いや、もう一通り見てきたんでもう良いです。」
「そう言わずにぃー!ね?おごってあげるから〜」
男の人はおごってくれると言ってるけど、知り合いでもない人におごってもらう義理もないし、第一もう既に買ってしまっている。