妖精と彼女【完】





「ねぇねぇ」





なんか背後から声がした気がするけど、あたしに話しかけてはいないだろうと気にせずケータイを探す。





「ねぇ、キミに声かけてるんだって!」



という声とともに突然、背後から肩をポンと叩かれた。







「………?」





肩を叩いてきたから知り合いかと思ったけど、見知らぬ男の人4人のグループだった。
道にでも迷ってあたしに尋ねたいんだろうか?




まだケータイが見つからない。







「…?何か?」





「オネーサン、今ヒマ?だったら俺らとお祭り回らない?」





男の人たちは、あたしよりも少しだけ年上の大学生くらいに見える。
ちょっとニヤニヤしてるように見える。




「…?いや、もう一通り見てきたんでもう良いです。」




「そう言わずにぃー!ね?おごってあげるから〜」





男の人はおごってくれると言ってるけど、知り合いでもない人におごってもらう義理もないし、第一もう既に買ってしまっている。










< 44 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop