妖精と彼女【完】
その悩みについて考えると、無意識に頭が重くなる。
…つまり、正直考えたくない。
でも、そんなわけにもいかないし…。
「…はーぁ。」
教室の自分の机に突っ伏して、ため息をつきながら現実逃避するあたし。
そんなことをしても、悩みがたっぷりで重たい頭はまったく軽くなってはくれない。
その時、頭上から彩音の声がした。
「悠〜?どした?大丈夫?」
話しかけられたから、あたしは仕方なく顔を上げた。
彩音は、心配そうな顔であたしを見ていた。
「…何か悩み事?」
「………。」
「何かあるんなら話してよ」
あたしが返事をしなくても、ニコリと微笑んでくれる彩音。
思春期ってヤツだし、こういう時期は、誰にだって悩みがあるってことはあたしも理解してる。
あたしが彩音に相談することで、彩音に負担がかかるのでは…と心配になった。
でも、誰かに聞いてもらいたい気持ちも確かにあって……。
あたしは迷った。