妖精と彼女【完】
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そういうこともあったものの…
特別トウとは進展のない毎日を送っています。
やっぱりトウはあたしの部屋に入り込んでベッドを占領して、あたしに「好き好き」とアピールして、愛に追い出されている毎日を繰り返している。
でも、そういう変わらない毎日の中でも…何かしらのささいな変化は感じる。
たとえば……
あたしが前髪を切ったことにトウがたまに気付くと嬉しかったり。
何気ない気遣いの言葉に、優しいなぁって感心したり。
不意にトウの顔を見て、こんなカッコ良かったっけ…?とか思ったりして。
出会ってから早2年……。
今まで何とも思ってなかったし、ウザいだけだと思ってたけど……意外と、それ以外の感情をあたしは持ち始めている。
…のかもしれない。
ただ……愛の告白のような言葉は毎日あるのの…、ヤマさんが言うような、「好きな人には触れたい」という言葉を体現するようなことはやっぱり全くない。
それが理由で、あたしは彼の真意をつかめないままだった。
そういった、恋愛への意識は途切れずあるものの…あたしは今、それどころじゃなくなっている。
それは……