妖精と彼女【完】
そんなこんなで、あたしはちょっとランクの高い大学を志望校に決めた。
どうせ行くなら、よりよい環境で勉強してみたいと思った。
ただ、その代償は大きくて……あたしは『飛び出す刑事』を始め、息抜きの類いは一切時間が取れなくなった。
そして毎週木曜日に訪れる、トウとの会話さえも。
毎日、学校から帰ると銭湯の手伝いをして、その後はずっと勉強漬け…を繰り返している。
食事の時間以外は、あたしは部屋にこもって深夜までひたすら勉強に打ち込んだ。
愛は、あたしの受験を控えていることに気を使って夕飯やら夜食の準備とか、色々とサポートをしてくれている。
トウは訪れても静かにしてくれてるけれど、たまにトウを追い出してくれたりもする。
両親もあたしのことを気にかけてくれていて、勉強に専念できる環境ができている。
それは、とてもありがたい。
本当に感謝しても感謝しきれない。
その後、色々と成績を着実にあげていくまでには沢山の出来事や努力があったんだけど……。
そこはまぁ、割愛します。
それから色々あったけど……頑張った甲斐あって、あたしは志望校に行けるようになる。
春からあたしは、W大学に通う大学生です。