閉鎖病院
「ただいまー」 



 
「あら、お帰り、早かったのね」
 



お母さんはリビングから顔を出した。 
 



「うん、美樹の家に遊びに行くから」


 
 
もちろん嘘だ。


 
 
「分かったわ」 




お母さんはそう言ってリビングに入っていった。 
 


私はカバンをソファーに置きケータイを持った。 


 
「じゃあ、いってきまーす」 
 


「いってらっしゃーい」 
 


リビングの奥から声が聞こえた。
< 6 / 46 >

この作品をシェア

pagetop