ごめん、すき。
どうしようもなく立ち尽くしたまま二人の姿を見ていると、廉の隣にいる彼女は傘を広げ廉に半分差し出す。
断って…!私は思わずそう願った。
廉は私の願い通り、入ることを断っているみたいだ。
その様子を見て少しほっとする。
でもそれはつかの間、彼女は廉を引っ張り彼女の傘の中に入れた。
その二人の姿を見て心が痛む。だって…相合い傘だよ?
嫌だよ。嫌がってよ…やめてよ…
見たくないのに、視線はあの二人にいってしまう。
あっちに行って彼女に、廉に会えばいいのに私の足は重りがついているかのように動かない。
だって…あんな風にやられたら、どこからどう見てもお似合いカップルじゃない。
私はそのまま声をかけられないでただただ、二人を遠くから見ていた。