ごめん、すき。






真綾の顔はとても悲しそうで後少ししたら泣いてしまいそうな潤んだ瞳をしていた。





『真綾…』





私が彼女の名前を呼ぶと、ごめんと一言いい体の向きを戻し、歩き出す。





私はその悲しみに溢れた彼女の背中を見詰めたまま、追い掛けることが出来なかった。









なんで私は彼女を追いかけたんだっけ?





…わからなくなってしまったよ。






「愛…!」





後ろから私を追い掛け、廉が走ってくる。





私の前に立ち、彼は少し揺らいだ瞳で笑い掛けてくる。





「友達だったなんて…驚いたなっ。」





『うん…私も驚いた。』





私はそう、言うことしか出来なかった。





「…映画行こうか。」





『そうだね。』





少し気まずい空気のまま私たちは映画館へと歩きだした。










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