ごめん、すき。
放課後。
別々の高校に通っているにも関わらず、いつも私の家まで送ってくれる私の彼氏、廉。
「じゃ、ばいばい。」
そう、笑顔で手を振る彼。
『…廉!』
これは聞くチャンスかもしれない。
そう思い、歩き出そうとする廉を引き留め、淡い空の下私は口を開く。
振り返る彼は私が今から別れ話をするかもしれないとは全く想定していないであろう優しい表情をしている。
『あのさ…』
喉が乾いてうまくしゃべれない。
…ううん、違う。
きっと聞きたくないの。真実を知りたくないの。
由樹に好きな人がいるかもしれないだなんて…
でも決意したんだから聞かなきゃ。