ごめん、すき。
信号機に差し掛かり青になるのを待つ。
その時、一番見たくないものが目にはいる。
っ…なんで、…このタイミングで…?
反対側の歩道には…肩を寄せ合い、二人で一つの傘をさしている、真綾と…廉の姿があった。
二人は私には気付かずとても嬉しそうな顔をして歩いている。
その二人の姿が見えなくなるまで私はそこで動けないまま立ち止まっていた。
あんなところ…見たくなかったよ…。
最初、弱かった雨は次第に強さをまして降ってきてまるでその雨は私の涙の代わりに泣いてくれているみたい。
その雨に紛れ、私の目からも次第に雫が溢れていく。
そして、やっとこれが涙なんだと気づく。