ごめん、すき。





顔をあげると傘をさして私を見下ろす、同じ制服の男の子が立っていた。






男の子はしゃがみこみ、私と同じ目線へと来る。





「泣いてるの?」





そう、心配そうに顔を覗きながら。





『…』





私が何も言わないでいると、困ったように微笑む。





「…よかったら、送りましょうか?」





私が首を縦に振ると可愛らしく微笑んだ男の子は傘を持っていない手を差し出してきた。





私はその少し照れくさそうに差し伸べてくれる掌に自分の手を置いた。






その温かく優しい手に触れ、私は涙を浮かべながら微笑んだ。










いつかまた、私を愛してくれる人が現れるだろうと。










ーFinー









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