ごめん、すき。




ケーキを食べているとお母さんがソファに座り、テレビをつけた。





「明日は今降っている雨がそのまま降るかもしれないので傘を忘れぬようお気をつけてください。」





ちょうど天気予報の時間だったらしく、お天気お姉さんがそう伝えてくれる。




さっきまでは雨降ってなかったんだけど今降ってるんだ…





窓へと顔を向け、外を眺める。




…廉、今日バイトだよね?





私、一昨日折り畳み傘借りたまま返してない…





ってことは、廉帰り傘なくないか?





壁掛けの時計を見ると時間は10時少し前。





ちょうどバイトが終わる時間帯だ。





私は最後に食べるようにとっといておいた苺を口に入れ立ち上がる。





『ちょっと、出掛けてくる!』





「え?雨降ってるって言ってたじゃない。」





きょとんとした顔でお母さんが言う。





『大丈夫!すぐ近くだから!』





廉のバイト先は私の家から近くて歩いて5分ちょいで着いてしまう場所にあるんだよね。





知ったときは驚いたな。




私は上着を羽織って手に傘を持ち、廉のバイト先へと向かった。












< 9 / 41 >

この作品をシェア

pagetop