桜花物語
「智鷹様…」

「何?」

「私は、智鷹様など愛していません。」

「え?」

「だから、子供などいりません。烏丸胡蝶は、1人で生きていきます。お勤めご苦労様です」

「お勤めだなんて」

智鷹様は、私の肩を抱いた。

「触らないで下さいっ!!」

「…。」

私は、運命の恋がしたいの…。

辛い恋愛はいらない。

「烏丸胡蝶…智鷹君入るよ」

「…お父様」

「あ、ゴメン。二人共愛の育み中だったのか」

智鷹様が私の肩を抱いてるから、お父様は勘違いした様だ。

「孫を楽しみにしてるよ…智鷹君?」

「…。」

お父様は、ご機嫌な様子で帰っていった。
智鷹様は、無言で私の着物を脱がし始めた。

「智鷹様!?」

「子供がほしいと言ってるんだ。君のお父様が」

「お辞め下さいっ」

智鷹様は、何も喋らずに私を抱いた。

愛のない喘ぎ声が響いた。
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