桜花物語
「痛くないですか?」

私が小さく声を挙げる度に夕壺さんは聞いてきた。

「大丈夫ですよ」

夕壺さんの骨っぽい肩を抱きながら、小さな声で言った。

夕壺さんは、私を壊れ物みたいに抱いてくれて甘い甘い時間をくれた。

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