桜花物語
「桜の宮、夕壺くんの女御になったんだろう?」

ある日、お父様はそう言ってきた。

「…えっ?」

そういえば、全然意識してなかったけど…私、女御なんだ。

「それで、しばらくの間…夕壺くんの家に泊まらないか?」

私にとったら、嬉しすぎる話だった。

「泊まるっ!!泊まりますっ!!」

「いや、夕壺くんが風邪をひいたみたいでねぇ…ここは、妻のお前が傍に居てやるのが良いんじゃないかってな」

「お父様、ありがとう」

私は、心からお礼を言い満面の笑みを見せた。
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