漆黒の陰陽師~陰の王子と黄昏の姫~
席替え
爽やかな春の風が私の頬をさらりとなでて
窓のカーテンと一緒に髪をふわりとになびかせた。
今はHRの時間。
今日は席替えすることになり学級委員が黒板にランダムに番号の振られた座席表をかいている。
皆近くの人と文句を言い合ったりして教室の中は騒がしい。なぜならまだ5月に入ったばかりで新学期が始まってから1ヶ月しか経っていないのにも関わらず、また席替えをするからだ。
先生曰く、仲いい人同士がくっつきすぎて授業中余りにもうるさくて、新学期早々こんな状態ではダメだと思ったからだそうだ。
私、篠宮ひなたの席は窓側の一番後ろ。
たまたま親友の理香と隣になれて喜んでいたのもつかの間、あっという間に離れることになってしまった。
だから私も席替えには反対で文句を言い合いたいのに、理香は学級委員に立候補して今は教壇の上でせっせと席替えのくじを準備している。
周りにはあまり仲の良くない男子ばかりで喋る相手もいない。
私は仕方なく窓の外を眺めていた。
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