漆黒の陰陽師~陰の王子と黄昏の姫~




読もうと息を吸った時、周りから


「篠宮!違う!」

「ひなちゃん、違うよ!」

「教科書!教科書!」




といった小声が次々と聞こえてくる。



....え?



私は自分の開いているページに目を落とす。



すると、そこには沢山の数式達。



「やばっ」



間違えて数学の教科書出してたんだ....!



皆クスクス笑ってるよ...!

う~....

恥ずかしい.....!!!////





私があたふたしていると、横からスッと古文の教科書が差し出された。



横を見ると、うつ伏せになっている“地味男”こと真田くんが腕だけ伸ばして私の机に教科書をポンっと置いた。



「え、あ、ありが...とう。」



戸惑いながらも取り敢えず教科書を受けとってお礼を言うと、真田くんは少し首をもたげてコクン、と小さく頷いくとまた机に突っ伏して寝てしまった。




......なんか変な人。





これが、私の真田くんに対する第一印象であった。




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