漆黒の陰陽師~陰の王子と黄昏の姫~
「ふー....終わった...」
あの後、私は先生から言われたぺージを読んだ後に罰として数問問題を解かされた。なんとかそれを無事に解き終え、ほっと一息いて借りた教科書を閉じ机の上に置くと、丁度裏表紙を上にしておいたためその右下に書いてあった名前に目が止まった。
真田飛鳥
へぇ、下の名前、飛鳥って言うんだ....。
なんか見た目と違ってすごく強そうな名前だなぁ...。
どっかの戦国武将みたい。
私は肘をつき、横目でちらりと寝ている真田くんを見た。
クラスの皆は先生との雑談で盛り上がってわりとうるさいのに、真田くんはぴくりとも動かずに寝ている。
よっぽど疲れてんのかな....
名前のわりにか弱そうだけど....
ま、いいや
後でちゃんとお礼言わなきゃな
なんてことを考えながら私は板書を移そうとシャーペンをとった。
すると、窓の外で何がか動いた気がして私は無意識に窓の外を見やった。
....え...。
驚いたことに、そこには一匹の野良犬が座っていた。