漆黒の陰陽師~陰の王子と黄昏の姫~
き、気にしないっで、って.......
逆に気になるわ!!!!!
あんな意味深な聞き方をされて、はいわかりましたって終わる人はいるんだろうか。
「んもぉー....さっきからなんなのよぉ....。」
私はへなへなと机に突っ伏した。
真田君は何であんなことを聞いたんだろう。
“見えたの?”
なんて、
まるで真田君にも.....
.....ってもしかして!
.....真田君にも見えてたりして??
.....んな訳無いよね。
今までうちの家族以外で“見える”人にあったことがない。そもそも誰もが妖怪が普通に現代に存在しているなんて思っていないだろう。
親友の二人にも言ったことがないことだ。
そんな事を最近初めて話した人に、「もしかしてあなた、妖怪が見えるの?!」なんて聞いたら変人になってしまう。
あたしは益々悶々として頭を抱えた。
ふと気づくと真田君はいつの間にか戻ってきていて次の授業の準備をしていた。
授業が始まっても、私は聞こうか聞くまいか迷っていてちらちらと真田君のことを見てしまう。
小さなメモ用紙に書いてみてはまるめ、書いてみては丸めて.....傍から見たら凄く落ち着きがなかったと思う。
するとそんな私の行動に見かねたのか、真田君は小さくため息をつくと先生が黒板に書いている間に私の机の上に綺麗にたたまれた紙をおいた。