漆黒の陰陽師~陰の王子と黄昏の姫~



「うわっ...凄く痛そう...」



彼の左肩には、何か爪のようなもので引っ掻かれたのだと思われる傷が三本あり、血が滲んでいた。しかし、それだけじゃない。何か黒い紫色の、おどろおどろしい、煙のようなものが傷口の周りに漂っていた。



「これは....。」


「普段なら、こんな傷を作ることなんてないんだ....今回は少し、気を抜いていたんだ...」


そう言うと彼は悔しそうに眉をひそめた。
「ごめんなさい、少し痛いかもしれませんが...」


私は彼の傷口におもむろに手を載せる。


「な、何を...?」

ビクッとして起き上がろうとする彼を手で静止し、


「大丈夫。」


と微笑んだ。




< 21 / 21 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

花の園のお姫様
ぴの:)/著

総文字数/20,315

恋愛(逆ハー)52ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop