漆黒の陰陽師~陰の王子と黄昏の姫~




何でかは分からない。



物心付いた時から妖怪が見えていた。



妖怪と言っても人に対して害を与えるような妖怪じゃなくて、今の様な猫又や化けだぬきなどの可愛らしいものだったり、時には気持ちの悪いのもいたけれど決して自ら攻撃したりはしてこない。



にしてもあの猫可愛いなぁ....


私も一緒に日向ぼっこしたい...なんて呑気なことを考えていると、


「ひなたぁっ!!!」

と耳元で怒鳴られた。


私はキーンとなる耳を抑え、涙目で声の主を睨みつけた。



「〜~っ!!理香ぁ〜!!」


「もー!ひなたが悪いんだからね?さっきからずっと呼んでたんだから!
ほら、くじ!さっさと引かないとみんなに迷惑です!」



「だからってそんなに叫ばなくてもいいじゃん....」


あんまりびっくりして椅子から落ちそうになった....


「それはゴメンって、いいから、ほれ、引く!」



あたしがブツブツと文句をいっていると、理香はクスクスと笑いながらぐいっと目の前にくじ入りの袋差し出して、私はむくれつつもそれに手を突っ込んだ。





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