漆黒の陰陽師~陰の王子と黄昏の姫~
「や、別に特になにがあった訳じゃなくて....
ただ.....。」
理香はやっとあたしを解放すると、もじもじと下を向いてごにょごにょいいだした。
「ただ、どうしたのよぉ...もぅ、ほっぺが...」
私はじんじんする頬をさすって涙目になりながら尋ねる。
「いや、あの.....もしあたしが可愛かったら....眞鍋君、振り向いてくれるかなーって思ってさ....。」
理香はまた顔を真っ赤にして俯く。
本当に顔から湯気が出てしまうんじゃないかと思うぐらい耳まで真っ赤に染まっていてトマトみたいだった。
「ふふっ.....」
そんな理香が可愛くて思わず笑いがこぼれてしまった。
「ひなっっ!わ、笑わないでよぉ!////
今だってこれ言うの凄い恥ずかしかったんだからぁ!!」
そういうと私をギロリと睨みつける。
「ふふふ、ごめんね。
理香ってば相変わらず眞鍋君のことになると子犬みたいに可愛くなるんだもん」