漆黒の陰陽師~陰の王子と黄昏の姫~
眞鍋君は理香が好きな同じクラスの男の子。
彼は私達のクラスの学級委員長だ。
最初は学級委員なんて面倒くさいとか言っていっていたくせに、眞鍋君が立候補した途端に目の色を変えて副委員長に立候補したのだ。
「こ、子犬?!」
理香は素っ頓狂な声を上げる。
「ホントだよね~
もうそのくりっくりの目をうるうるキラキラさせちゃってハフハフしてるもんね(笑)」
結衣もくすくす笑いながら頷いた。
「そうそう(笑)
しっぽなんて千切れんばかりにふっちゃってね(笑)」
結衣と二人で盛り上がっていると、理香は益々見を小さくして恥ずかしがっていた。
「でも、いいな....
私もそんな恋がしてみたいよ....」
私は生まれてこのかた恋というものをしたことがない。勿論誰かをかっこいいな、とか思うことはあるけど、理香のように誰かを一途に思うなんてことはしたことが無いのだ。
一人でう~んと唸っていると、
「心配しなくても大丈夫だよ!
あたしだって、最初は眞鍋君の事なんて全然好きじゃなかったもん。でもね、ある日突然ね、....ふとした仕草とかを見て、この人いいなーーって思ったの。
....恋はね、突然始まるんだよ。」
と理香はほんのり頬を赤くして微笑んだ。