【コラボ】きのこ探偵マサト~ジャガイモ畑でつ・か・ま・え・て☆~
教頭が食中毒のような症状を発症して、一人の教師をきのこ部にやってから。
伊奈はその教師を見届けてすぐ、一度職員室へ戻った。
きのこ部の模擬店で怒鳴り散らす教師に、心底うんざりしながら。

模擬店から職員室は遠くなく、あの教師の汚い怒鳴り声は聞こえる。

職員室のドアに近付くと、中からも怒鳴り声が聞こえた。


『ぐ‥‥食中毒で訴えてやる‥‥なんなんだ一体!!』


教頭は、どこかへ電話をかけ終わったところのようだ。
ガチャンと、乱暴に受話器を置く音が、廊下まで響く。

そのままドアの前で、じっと息を潜める。

『し、しかし、警察がくれば‥‥きのこ部も‥‥ですが、我々の飲酒が‥‥。』

『ふん。悪いことはしとらん。だが‥‥念のため、片付けておけ。』


酔っ払いのような呂律の回らない、情けないしゃべりかた。

あんなくだらない教頭の取り巻きだと思われていることが、腹立たしい。

ならば、きのこ部と一緒に、失脚してもらおうか。

伊奈は職員室に入ることなく、あの打ち合わせをしたきのこ栽培場へと、足早に向かった。
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