【コラボ】きのこ探偵マサト~ジャガイモ畑でつ・か・ま・え・て☆~
つまり。
食べたことが、飲酒の証拠となるのだ。

それを見た教師は、顔から血の気が引くのを感じた。
このままでは飲酒が公になり、辞職させられるかもしれない。

それでも万里の話は続く。


「産地では、よく食べられています。ですが、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼが阻害されると、アルコールが肝臓で分解されづらくなるので‥‥簡単に言うと、お酒とは非常に相性が悪いんです。」

「相性が悪いと、どうなるんです?」

「体内のアルコール濃度が高くなります。」


高山にはそれで何となく通じたらしいが、まだ飲酒の許されていない高校生には、よくわからない。


「あの、アルコール濃度が高くなると、どうなるんですか?」


まりあが聞くと、万里はニコリと爽やかに微笑んだ。
まるで、質問を誉めるかのように。


「強烈な二日酔いになります。」


なったことはないので、想像する。

ああ、宴会の翌朝の、お父さんだ。

まりあは中毒教師の赤い顔を見ながら、頭が痛いとぐったりしていた父親を思い出した。

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