【コラボ】きのこ探偵マサト~ジャガイモ畑でつ・か・ま・え・て☆~
これは事件ではなかったようだと、高山はホッと胸をなで下ろす。
同時にまりあも、逮捕者が出なかった事に安堵した。

事件ではなく、事故。

焼ききのこを渡したきのこ部も、まさか飲酒しているなどとは、露ほども思わなかったのだろう。

お祭りとはいえ、高校の学園祭。
ハメを外し過ぎた教頭達に否がある。

張り詰めた空気は途端に緩んだが、うなだれた教師だけが、一人青ざめていた。
この事は間違いなく、学園長に報告される。
中毒症状が収まってきたのか、少しだけ冷静になってきた頭は、全てを知りながら無関係を決めている、伊奈を思い出した。

もともと、彼は自分達の仲間でもなんでもなかった。
薄々感じてはいたが、今回のことでハッキリしたではないか。

協力もせず、助けも呼んでくれず。
一緒にここまで来たはずなのに、姿さえ見えない。
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