【コラボ】きのこ探偵マサト~ジャガイモ畑でつ・か・ま・え・て☆~
加奈子は家で、のんびりと洗濯物をたたみながら、夕方のニュースを見ていた。

夫の万里が瑞希を連れて外出してくれているので、息子の昼寝中はのんびり家事が出来るのだ。

ニュースの声だけの、静かな時間。

瑞希は割とおとなしい子供だが、図鑑に付き合わされるので、家事に集中させてもらえないのが現状だ。

夕飯は何にしようか。
冷蔵庫の中身を思い出しながら、洗濯物をたたんでいく。
赤ちゃんが一人増えたら、途端に多くなったそれは、たたむだけで結構時間がかかるものだ。

それすら幸せ。

とは、なかなか思えない。
正直に言えば、面倒だ。
今日みたくのんびりとたためるならまだしも、いつもこうはいかない。

『おかあさん、これはなんてよみますか?』

夫と同じ顔が、絶えず質問責めしてくるのだ。
図鑑が好きなのに、文字が読めないから。
結婚前に“絶対、万里のような趣味にはさせない”と誓ったのに、娘は見事、夫のクローンになってしまった。
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