【コラボ】きのこ探偵マサト~ジャガイモ畑でつ・か・ま・え・て☆~
ため息が、息子の寝息と重なる。

考えるのは、やめよう。
娘の趣味はもう、矯正できないところまで、きている。


『○○学園の学園祭で、きのこの食中毒事故が起きたようです。』


きのこ。
その単語に反応してしまうほどには、自分も染まっている。
自嘲気味に笑ったが、ふと、重大なことに気付いた。

その学園祭に、夫と娘が行ったはずだ。

珍しいきのこ部があるとかで、スキップしかねない勢いで出掛けたのは、今朝のこと。

まさか。


『‥‥しかし、そこに居合わせた、国立博物館の学芸員である、大塚万里氏が‥‥』




「あいつは何やってんだーーー!!!」





叫び声で、息子が起きた。
まだ、夫と娘は帰ってこない。
洗濯物に顔をうずめた母を、息子がきゃっきゃと笑って見ていた。



【えんど!】





< 84 / 85 >

この作品をシェア

pagetop