私は異世界の魔法使い?!


「なんて呼びかければいいのよ。第一魔法使えないのに呼び出せるの?」

「呼びかけ方はその杖が教えてくれる。お前がふさわしい人間かどうか……ふさわしくなければ呼びかけには答えないだろう。

だが、ふさわしいと判断されれば、使い魔は現れる。お前の右腕となって、な」

「そんなのっ、もし現れなかったらどうしたらいいのよ!」


杖を持ってきた部屋を通り過ぎ、ひたすら長い廊下を歩き続ける。

そんなカイトの足がピタリと止まり、小走りで後を追っていた私の足も止まる。

けれど上がった息だけは止まる事なく、一定のリズムで肺を揺らしていた。

リンと冷えた空気の中、振り返った彼の表情もまた、冷ややかなもの。

それは表情だけではなく、放つ言葉までーー私の心を凍らせる。


「ーーなら、お前は切り捨てられるだけだ」


冷たい。

寒い。


さっきまでの寒さとはまた違う……悲しくなるくらいに、寒い。

彼の言葉は簡単に私の心を凍らせる。

それは彼が海斗と同じ姿をしているからなのか。

それとも、もう一人の私……ミアとの態度があまりにも違いすぎるせいなのか。



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