私は異世界の魔法使い?!


けれどあんなにも彼の忠誠心を浴びていたミアは、今頃どこで何をしているのだろうか。


「……ねぇ、ミアはどうしていなくなってしまったの?」


そもそもミアがいなくなったから、私がこんなことをする羽目になった。


じゃあミアはどこに行ったのか……?


自分の分身でもある彼女の様子を窺いにやって来たというのに、当の本人はどこにもいない。


「……それがわかれば、苦労はしない。この勝負にしたって、お前などに勝負の行方を委ねたりなどしない」


言って、鋭い視線が私を力一杯睨みつけた。

それはそれ以上突っ込むなという意志の現れであり、ミアの側近なのに……という自分に対する苛立ちもあるのかもしれない。

それに言い放たれた言葉も逆を返して考えれば、それほどに彼も切羽詰まってる状態だということだ。


どこの馬の骨とも分からない私なんかに勝敗を委ねるほど……。



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