私は異世界の魔法使い?!
・魔法の杖
「私……」
ーー降参するわ。
口を開き、そんな言葉を落とそうとしたその時、脳を振るわす振動が沸き起こる。
グラグラと揺れる感覚から徐々に振動は大きくなり、大きな鐘の中にでもいるようだ。
大音量の音が振動となり脳に伝わって揺らされているような、ぐわんぐわんとした大きなものが私を襲う。
なっ、今度はなに!?
思わず頭を抑える。
けれど、大きくなった揺れは収まらない。
相変わらず体は突風にあおられたまま宙を浮いて自由は利かないし、かまいたちはある意味定期的とも言えるほどのリズムで私の体を刻んでゆくし。
けれど、そんな事すら頭の隅に追いやって忘れてしまうくらい、私の脳は揺れていた。
それは痛みが伴うものではないが、そのせいで吐き気がするほど。
……気持ち悪い。
どうしちゃったの、私の体……。
これもあの男の新たな攻撃なのだろうか。